晶子まんだら が日頃、思っていることなどつれづれなるまま、言論の自由の名のもと!言いたい放題!書かせていただくコーナーです。尚、この内容に関して、中傷、批判などは一切受付けませんのであしからず。
Zagrebはクロアチアの首都である。10年一昔というが、1990年ごろはなんと戦火を交えていた国というからアニメーションフェスティバルという平和的イメージからはほど遠い。旧ユーゴスラビアから晴れて独立したのが1992年。アドリア海を海岸沿いにいいとこどりした国がクロアチアだ。スプリット、ドブロブニクはアドリア海の真珠と呼ばれるほど美しい、絵に描いたようなオレンジレンガの屋根を持つ古城都市である。「Zagreb」というこの国際アニメーションフェスティバルはその名の通り、かなり内陸に位置するクロアチアの首都、ザグレブで開催されるので、残念ながら今回は海岸沿いの町を拝めることはできなかったが、その1週間は一生忘れることのできないような素晴らしく脳裏に刻印される体験であった。
今回行くことになったのは「雪女郎御殿」がこのコンペに入賞し、ご招待を受けたからである。実はこの時期、私は双子妊娠6ヶ月。遠いヨーロッパの見知らぬ国への一人旅は私自身、かなりの賭けであったと言える。ただでさえハイリスクを伴う双子妊婦が16時間もかかる長旅に旅客機は乗るは、行き先が15年前まで戦場だったぁ?なんてところに行くなんてまさに危険極まりないと考えるのが普通かもしれない。(ちなみに今のクロアチアはもちろん安全である。)このときの私の腹は確かに6ヶ月であったが、単体の妊婦の8ヶ月のようなりっぱな腹をかかえていた。そんなバルーンな腹をかかえて私はどうかしていた?いや、なんといってもあのZagrebに入賞したのである。行かないわけにはいかない。入賞の知らせを知って迷うことなく嬉々としてZagreb行きを決意した。広島、アヌシー、オタワ、ザグレブが所謂、世界4大アニメーションフェスティバルである。その中でもアヌシーについで1972年から開催されている歴史のある著名なコンペなので、世界中から新人はもちろんのこと、オスカーやパルムドール受賞者まで集うとんでもない大会なのである。
夫は最後まで「ほんとに行く気か?!」と私にZagre行きを諦めさせようとあの手この手を使っていたが、そんなことでくじける私ぢゃない。こんなコンペをそう易々と諦めるわけにはいかない。こうと決めたら脱兎のごとくである。
前置きが長くなったが、なんと言ってもやはりZagreは遠かった!オーストリア航空でViennaまで12時間、3時間ロスタイムの後、そこからおもちゃみたいな?小型プロペラ機でZagrebまで1時間。合計16時間もかかったのである。アエロフロートを使う手もあったが、これでは宿を途中にとらなければならないので航空機代は割安だったがこれは没とした。
オーストリアのViennaまで12時間はさすがに堪えた。当然腹が張って足はむくむし、隣の席のおばさんが延々と私に話しかけて眠らせてくれない。徹夜で出てきた私にとっては一睡もできなかったこの12時間はかなり打ちのめされた。Viennaではとにかく体を休めることにする。で、この双子妊婦のとった行動とは....?待合室のベンチでホームレスのごとく横になることであった。我ながらこの図はすごい。はたと気がついてよっこらしょとベンチから起きると周囲の人々の熱い視線ビームが私に集中!今にも産まれそうな腹と私の顔を交互にみながら複雑な面持ち。そんな周囲をよそに私は何事もなかったかのごとく持っていたミネラルウォーターをがぶ飲みするのだった。痛快!!
Zagreb空港に着き、とりあえず円をクーナにする。すると直後に女性が話しかけてきた。「Zagreb」を主催しているAnimafestのスタッフだ。夜9時ごろって言っていたので待たなくてはならないと思っていたからほっとする。他、日本人も二人いた。聞くとNHKのどーも君を作っているディレクターの合田さん、とその制作会社の東沢さん。お二人にはフェスティバルの間、何かとご一緒させていただき、お世話になった。一緒に車に乗ると30分ほどでホテルに到着。ホテルには別のAnimafestのスタッフが来ていて、暖かい笑顔で東の果てから来た見慣れぬ日本人を出迎えてくれた。そしてやっかいなこの双子妊婦の為に荷物を運んでくれた上、朝8時半にルームサービスまで手配してくれた。至れり尽くせり?でリッチな気分。しかしなぜかあくる日ルームサービスなる者のノックはなかった。(笑)まぁ、それくらいは問題ない。なんせご招待だ。とにかく人が温かくフレンドリーなら多少の不自由なんて逆に旅の味わいになったりするもんだ。体はずたぼろに疲れていたが、不安と期待に胸と腹?!が踊る初日であった。
「Zagreb」が開催されるのはホテルから徒歩10分くらいの場所にあるリジンスキーホールだ。1Fがミニシアターになっていてsmall
Hallと呼ばれ、午前中から掘り出し物の珍しいアニメを数多く上映する。2FはLarge
Hallと呼ばれ、その名の通り、巨大なスクリーンと大観衆を収容できる、フェスティバルのメインホールとなる。
リジンスキーホールはザグレブ中央駅の南側にある。にぎやかな北側と比較してホールのある南側はなんとなく閑散としているが、ホールに続く並木道の緑や公園の芝が気持ちの良いゆったりとした空間が広がっている。北側は石畳の街路が美しく、建築物にしろいかにもヨーロッパという風景だ。人ごみも多く、いくつかの観光の目玉もこちら側にある。トラムという路面電車が市街を走り、気軽な足となっていて、私のお気に入りの一つとなった。
さて、このアニメーションフェスティバルとはいかなるものであったか?
その2につづく⇒



Zagreb2004PhotoGallery


